2016年3月15日火曜日

『ROOKIE YEARBOOK FOUR』〜TLCインタビュー



 メディアで喧伝される「モテ」至上主義。女性誌には「モテファッション/モテメイク」といった惹句が踊る。 テレビのなかでは未婚の女性が「負け組」として嘲笑される。モテは善、非モテは悪。やや大げさかもしれないが、そんな暴力的とすら言える考えが知らないうちに私たちには刷り込まれている。私たちには生殖本能が備わっているから、モテを追求するのは当然のこととも言える。でも異性の目を引くことだけに全力をかけて生きるのはどうだろう。それでは野生のサルと変わらなくないか?
 このたび日本版が刊行された『ROOKIE YEARBOOK ONE』(タヴィ・ゲヴィンソン著、以下:ルーキー)は、そんなメディアの流布する偏った主張に悩む者に寄り添い、苦しみから解放してくれる。『ルーキー』は当時十五歳のタヴィが立ち上げたオンライン・マガジンを書籍化したもので、英語版は第四号まで刊行されている人気シリーズ。学校生活、友人関係、恋愛、ファッション、フェミニズムなど、広く「生き方」について扱い、タヴィが編集長となり、ミュージシャンや映画監督などの著名人も含む多くの寄稿者の文章から構成されている。
「キスされたことがない」と題された二十三歳のヴァージンの女性による寄稿文では、前述のメディアの喧伝する「恋愛の押し付け」に対して、人生には別の選択肢があることを示してくれる「それから、シングルの仲間たちよ、おとぎ話に出てくるような人生を過ごしていないことに対して、みじめな気持ちにならないで。恋人をつくるかつくらないかの選択はあなたが決めることであって、ほかの誰かができることではないから」。一方、高校時代のファーストキスの相手のもとを十年後に訪れて、当時のことを訊いたインタビュー記事や、映画監督ポール・フェイグが同じくファーストキスの思い出についた綴った文章は、恋愛のワクワクや幸福感を伝えている。当たり前のことだが、恋愛をしたければすればいいし、そうでないならしなくていいのだ。多様なトピックを扱う『ルーキー』だが、「やりたいことをやる」という精神が通底している。もはやティーンでも、ましてや女性ですらない僕でもこれだけ感銘を受けたのだから、タヴィと同年代の少女たちが読んだときの感動は推して知るべし。

 そんな『ルーキー』の第四号にはR&Bグループ、TLCのインタビュー記事が収録されている。メンバーのT-ボズとチリが少女時代に抱えていた悩みの話や、世代を超えて愛される彼女たちの魅力についての自己分析がとても興味深い。以下は、インタビュー記事の前半部分の拙訳なり。(余談だけど、『ルーキー』には、ぜひともTyler, The Creator(タイラー・ザ・クリエイター)を取り上げて欲しい。『Bastard』(09年)や『Goblin』(11年)で聴ける、青春時代の鬱屈した気持ちをぶちまけた楽曲群は、実際に同じ境遇のティーンの共感を呼んでいるし『Cherry Bomb』(15年)では「若者の自己実現の応援」をアルバムのテーマに掲げていたり、タイラーは『ルーキー』の読者にもぴったりの人物だと思う。タヴィとタイラーの組み合わせは一見意外なように思えるけど、『ルーキー』第一号でタヴィが文章を寄せた『フリークス学園』はタイラーのお気に入り作品だし、何よりも、音楽制作にとどまらず、映像監督、アパレルのデザイン、音楽フェスの主催、アニメーション制作など、多岐にわたって活躍するタイラーは「やりたいことをやる」精神の体現者といえよう。言葉使いが乱暴なのが難点だけど。)

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90年代初頭、血気盛んなアトランタの少女たちーティオン ”T-ボズ” ワトキンス、リサ ”レフト・アイ” ロペス、レゾンダ ”チリ” トーマスによって、音楽史上もっとも重要なガールズ・グループのひとつ:TLCは結成された。TLCは音楽プロデューサーや音楽業界によって作り上げられたグループであったが、ひとたび出会うと、彼女たちは魔法のような絆によって結ばれた。TLCの1stアルバム『Ooooooohhh... On the TLC Tip』は、音楽(R&B、ラップ、ニュージャックスウィング)、ファッション(ぶかぶかサイズ、カラフルな男の子の服、コンドームのアクセサリーが流行ったのは彼女たちの影響だ)、ダンス(ゆかい+コレオグラフィー!)の領域を更新した。特筆すべきは彼女たちの提唱した強い女性像だ。デートと友だちとの間で妥協したりはしないーそして何よりも友だちのことを気にかけていた(参照:「Water Falls」「No Scrubs」「Baby-Baby-Baby」「Unpretty」、など多くの楽曲がその証拠である)。

2002年、レフト・アイはホンジュラスでの交通事故によりこの世を去った。それ以来T-ボズとチリは、人生の多くの時間を彼女の思い出のために捧げている。またその一方では、鎌状赤血球症というT-ボズの生まれつきの病をはじめとした、それぞれが直面する障害と向き合っている。今月、二人はキックスターターで彼女たちの通算五枚目の、そしてTLCとしての最後のアルバム制作への支援を募るキャンペーンを始めた。彼女たちの使命はこれまでと変わらない:私たちの人生に寄り添う曲を書くことだ。

今月のはじめ、ニューヨークのホテルの一室で私はTLCと対面した。この日は折しも彼女たちがキックスターターのキャンペーンを発表した日であった。二人の部屋に入室したとき、チリは携帯電話で彼女たちのファンに向けてツイートをしている最中だった。T-ボズは廊下でマネージャーと談笑をしていた。二人の服装は、ゆったりとしたシャツに履き心地のよさそうなバギーパンツを合わせたー私(とおそらく数百万人のその他大勢)がミュージックビデオで見て憧れた姿の、落ち着いた大人版といった趣であった。世界中がそうであったように、私はTLCを見て育ち、そして今も変わらず大好きで、そのため二人との会話に緊張せずにいられなかった。しかし、その飾らない人柄こそ、彼女たちの音楽がいつも重要であり続けた理由だったのである:部屋に到着するなり私は二人からハグで迎えられ、灰色の革張りのソファに私を真ん中にして二人は座った。まるで私たちが長年の大親友であるかのように。私の頭のなかではーきっとあなたもそうでしょ?ー私たちはずっと親友だったのだけど。

私は彼女たちに、友情について、ツアー先でのイタズラのこと、二人の子供ーT-ボズの14歳になる娘チェイス、チリの16歳の息子トロンに授けた母の助言などについて、話を伺った。R.I.P. レフト・アイ。

ジュリアン:キックスターターのアイデアはどのようにして思いついたのですか?

T-ボズ:私たちのマネージャーの発案なの。私たちは斬新で独創的な機会を与えれて、うそでしょ、信じられないって感じだった。でもそれは私たちがキャリアを通してずっと体現してきたことでもあったの。だから理想的だったってわけ。

あなたたちはファンと強い絆で結ばれています! キックスターターの定める報酬(T-ボズとチリに直接会えるものも含む)のほかには、ファンとの間にどのような交流を期待していますか?

T-ボズ:そうね、ツイッターを見るかぎり、反応はとても上々よ!「うそまじ、このときを一生かけて待ってたの、触れに行くわ!」といった感じ。すごくワクワクしてるわ。もし私がまだ小さくて、マイケル・ジャクソンがこれと同じことをしたらって考えてみるのだけど、きっと私は自制心をなくしちゃうわ! 家賃や車のローンなんかも投げ打って...(笑)

チリ:みんながそんなことを言うのよ! 私たちとしては、ダメよ、きちんと家賃は払って!と言いたいわね。何事も当たり前のこととは思いたくないけど、今回はどうなるのか不安だったから安心したわ。私たち二人とも不安だった。おまじないで気持ちを落ち着かせるときのようというか。みんなが提案を受け入れて、報酬を気に入ってくれた。つまり私たちのことを受け入れてくれたのよ。

どのような方向性の音楽を作るかもう考えていますか?

チリ:いろんなものの組み合わせ。いったんスタジオに入ってしまえば、自ずと最良の作品が出来上がると思う。だってスタジオはみんなの創造力が溢れ出る現場だから。直感が何かを伝えたなら、それは正しいこと。直感に従って作業を進めれば、良い作品が作れる。座り込んでいつまでもあれでもないこれでもないと考える時間はないのよ。興奮しちゃってるからね! でも歌詞の内容といったリスナーが私たちに求めるものを、おざなりにするつもりは全くないわ。なぜならそれが私たちの財産だから。これだけの年月が経っても私たちの音楽が古びない理由は(T-ボズが)よく言うように、「What About Your Friends」の歌詞の一行一行すべてに「わかる!」と共感できるところだと思うの。

T-ボズ:うん、すべての曲がそうね! 例えば『Crazy Sexy Cool』から私がシングルカットを強く希望していた「Case of the Fake People」とか。今からでも遅くないわ!

そこがまさしく人々の共感を呼んでいた部分です:常に自信に溢れるあなたたちの姿に奮起させられます。リスナーはあなたたちに対して、冷静沈着で、たくましい女性というイメージを抱いていますが、十代あるいは二十代前半の頃、そうでない時期はありましたか? どのように乗り越えましたか?

チリ:子供の頃は自分の体に全然自信が持てなかったわ。とても背が低かったの! お尻がない!って騒いでた。まだ成長する前だったのよ!

T-ボズ:私は大きく見せるためにパンツを二枚重ね履きしてた!

チリ:そうそう! ジャネット・ジャクソンの「Pleasure Principle」のミュージックビデオを見て、狼狽えたのをよく覚えているわ。私の体はこんな風になりっこない!って感じだったから。大人たちが慰めてくれるんだけど、結局私は小柄なままだったし、ご覧の通り今でも細身で変わらない。まあそんなところね。大事なのは内面ー外からどう見えるかでなく、内面を健康的に保つことが大事。胸はどうだったかって? 私は胸も小さかった。(ブラに)ティッシュを詰めることはしなかったけど、当時バターを胸に塗ると成長するという噂を耳にして実践してたわ! 冷蔵庫からバターをひと切れだけ拝借して、大きくなることを願いながら擦り込むのよ! もちろん効き目はなかった。それから(T-ボズとレフト・アイに)出会ったわけだけど、お互いに共通する部分が多かったの。だから(TLCとして)活動し始めてからは、自信を大きくつけていったわ。



T-ボズ:「Unpretty」という曲は、私の個人的な境遇をもとに書かれたの。あの曲を書いたとき、私は学校で味わされる出来事に対して立ち向かおうとしていた。私は鎌状赤血球症という病を患っていて、自分でもよく理解できていなかったけれど、周囲の連中は「やい鎌状、お前はもうじき死ぬんだ」なんて言って、からかってくるわけ。とても意地悪よね。でも素晴らしい母を持ったおかげで、私はめげずに心を強く保てた。けれど、誰もが母の教え通りにやり過ごせるというわけではないし、私にも落ち込んでしまうときがあった。歌詞がそうであるように、私は共感を誘ったり、上り調子がやってくることを示すのが得意なの。乗り越えられるんだ、と。私は三十歳を超えては生きられないと言われていたし、子どもを産むこともできなければ、障碍を抱えて生きていかなればならないとも言われていたわ。それが今では四十四歳になり、十四歳になる娘もいる。そして世界一のグループの一員として世界を飛び回っている。だから私は上り調子がやってくるということを伝えているの。誰だって惨めな思いをするときがある。そんなとき私は前向きに考えるようにしているの。そしてこう示してあげるの、そんな風に思い詰めてしまうのも分かるわ、だってそれは普通のことだからって。みんなにも試してもらいたいわ...きっとうまくいくから。私たちの音楽から受け取ってほしいのは、まさにそういったことー自分に自信を持つこと。連中を勝たせてはだめよ! 娘にはこう言い聞かせてるの:泣くのはなし。家で泣くのは構わないわ。彼らは無視すれば必ずやめる。ただあなたのエネルギーを消耗させたいだけなのよ。とにかく絶対に相手にしてはだめ。


グループの一員となり、友人を見つけたことで、自信は大きくなりましたか?

チリ:私にとっていろんなことが重なった。それは私に瓜ふたつな二人の素敵な女の子との出会いだった。私たちは三人とも胸が小さかった。実際、背が低いことは(TLCに加わるための)必須条件だったの。背が高くてはいけないと言われた私は、このままの私でも許されるの? ありのままの私でいてほしいだって?といった調子で、条件には申し分なかった。昔も今も若い女の子が私たちを支持してくれるのは、私たちに親しみを感じるからだと思う。理由は様々だろうけど、女の子がみんな細っそりした洋服を着たいとは限らないー細っそりした洋服を悪く言うつもりはないわ!ー着心地が悪いなら別の方法でセクシーになることだって出来る。私たちはそういうことを示してきた。それが私たちの感じたこと。流行がどうとかは無縁だった。私たちの発言、行動、服装はすべて自分たちの気持ちに忠実なものだった。それは意識していたことだし、こだわった部分でもあったわ。そしてそれを見た人々が受け入れてくれた。(T-ボズが)レディ・ガガと会ったとき、彼女は心臓発作を起こしかけたの! 学生時代特有のあの居心地の悪い時期の彼女に、私たちの音楽が影響を与えていたのよ。

T-ボズ:私の娘はこんな風に(レディ・ガガを指差し)、私は「彼女、こちらを見てるかしら?」なんて思ってたら、(レディ・ガガが)「あなたたちが私の人生を変えたの! ご存知ないでしょうけど」って言うわけ。私は自分たちのことをそんな風に考えたことなかったから、どう応えていいか困ってしまった。目に涙を浮かべる彼女を見て私は、分かったわ!って。それにしても、ひとは知らないところで影響を与えているものなのね。クレイジーだわ。

あなたたちの存在は本当に革命的でした。ヒップホップの世界でも女性らしくセクシーな衣装を纏い、女性の強さを歌で表現できることを、当時は見られなかった新しい方法で示してくれました。それどころか今でも:あなたたちのスタイルや音楽を紹介することに特化したタンブラーを更新するティーンがたくさんいます。昔と変わらずティーンに影響を与え続けています。

チリ:彼女たちの投稿は私たちのツイッターアカウントにも飛んでくるの! 私が赤ちゃんだった頃の写真の投稿もあったわ。私ですら持っていないのに、そんな写真一体どこで手に入れたのかしら!って感じよ。こんな風になったのは、映画(CrazySexyCool: The TLC Story)がVH1で放映されて評判になってからのこと。それから私たちのコンサート会場は、お婆ちゃん、お母さん、子どもの三世代を多く見かけるようになったわ。(最近のこと)とある五歳の女の子がTLC誕生日会というものを開いたの。アトランタのラジオ局から「この女の子を見てみて!」と連絡をもらい、彼女の動画を見てみたわけ。そしたら彼女(の衣装)が私にそっくりなのよ。彼女のことは本名で呼んではいけないの。彼女の名前は「レゾンダ」ーチリじゃなくて、レゾンダっていうのよ。ラジオ局に会いに行ったわ。彼女が私の方を振り向いた時は、まるでサンタ・クロースにでもなった気分だったわ! 彼女は「チリ!」ってね。ちょうどその頃私たちはオーストラリアツアーの準備の真っ只中だったから、彼女をリハーサルに招待した。彼女は(T-ボズにも)会って、私たちが踊ったりする姿を見学していたわ。本当に素敵な体験だった。彼女はどうだったかわからないけど、私は本当にワクワクした。まだ五歳足らずの女の子がTLCを好きになってくれる理由こそ、私たちにとって遺産と呼べるものだから。私たちは彼女のお母さんと倍近く歳が離れているのよ。「どうやって私たちのことを知ったの?」と訊くと、「お母さんが聴いてたの! 映画も観たわ!」って答えるのよ。

あなたたちは早い時期からインターネットに精通していました。(1999年)あなたたちはポップソングのなかで「Eメール」という言葉を初めて使った最初のグループだったと思いますーブリトニー・スピアーズが「Fanmail」のリリースされる一ヶ月前に「Baby One More Time」でEメールに言及しているので、議論の余地があるのだけど! あなたたちは社会問題に関心を寄せ、取り組んでいました。ミュージックビデオも当時にしては最先端技術を用いたものだったと思いますーあなたたちやアリーヤやミッシー・エリオットなどの黒人女性は、当時ほかのミュージシャンには見られない表現をしていました。

T-ボズ:クレイジーよね。私たちは「MTB」ー運命づけられたことーと呼んでいたのだけど、ただ成り行きでそうなっただけなの。私たちの作る音楽はすべて自分たちに忠実だった。すべて:つまり、ステージで見る私たちもグループ内における実際の私たちも変わらず同じだってこと。舞台の上ではうわべを装っていて、舞台を降りたら態度の違う別人になるなんてことはなかったの! 舞台の上でもどこでも変わらなかったの! それでも『Fanmail』は時代に先んじていたわね。創造と進化と成長の賜物だった。いったん何かを成し遂げてしまうと、成長して前進するには、よく考えなくてはならないの。私にとって、成功したはいいけど、でも次はどうするのか考えるのが大変だった。私たちには独自のスタイル、ファッション、楽曲、歌詞があるけれど、もしこんな風に(腕と肩を使って「Waterfall」の振りを踊る)踊れば、あなたはそれがどの歌から取って付けられたか分かってしまう。ときにはルーティンの振りをサビに採用することもあった。だからTLCの持ち味を違った組み合わせで試してみることが重要なの。
(続きの原文記事はこちら


TLC - "What About Your Friends"


TLC - "Waterfalls"


4yr old singing TLC songs


Rozonda Thomas Kicks Her TLC Game To Chilli - The Big Tigger Show



2016年3月6日日曜日

タイラー・ザ・クリエイター「What the Fuck Right Now」



 ここ最近、Tyler, The Creator(タイラー・ザ・クリエイター)とA$AP Rocky(エイサップ・ロッキー)がつるんでいる姿をよく見かける。合同ライブツアーをきっかけに友情を育んだと思われる二人。タイラーがホストを務めるGOLF MEDIA配信のラジオ番組「GOLF RADIO」のロッキー出演回では、ツアー巡業時のエピソードが披露された。ツアーの間は、オッド・フューチャーとエイサップ・モブのメンバーを交えて「マリオカート」で遊んでいたそうな。楽しそう!(オッド・フューチャーのメンバーといっても、ジャスパーやライオネルといった「非音楽班」だけなのが、ちょっぴり悲しい)。そんな二人の友情は「What the Fuck Right Now」という共演曲に結実した。レコーディングスタジオでバカ騒ぎを繰り広げるミュージックビデオからも、二人の仲の良さが伝わってきて微笑ましい。それにしても、まさかタイラーとロッキーがこんなにも仲良くなるなんて思いもしなかったなー。例えば漫画『ちびまる子ちゃん』で言うなれば、はまじと大野くんが親友になるような意外な組み合わせである。仲良くするのはたいへんよいことだけど、はまじにブー太郎という無二の親友がいるように、タイラーにもジャスパーという長年の友人がいることを忘れてはならない(ミュージックビデオのなかのジャスパーはワイワイと盛り上がって見せているものの、ロッキーに気圧されてか、どこか所在なさげに見えるのは気のせいだろうか)。映画監督業にも意欲を見せるタイラーには、ぜひともタイラーの好きな作品のひとつである『スーパーバッド 童貞ウォーズ』(07年)などにならって、新しい友人のロッキーとばかり仲良くするタイラーに嫉妬してしまうジャスパーを題材にしたブロマンスコメディを作ってほしい!


Tyler, The Creator - WHAT THE FUCK RIGHT NOW

ROCKY AND TYLER


GOLF RADIO: ASAP Rocky

2016年3月1日火曜日

リック・ファミュイワ『Dope』〜オタク'ン・ザ・フッド



 映画『Dope』(15年)を観た。90年代ヒップホップに熱中する主人公のオタク少年マルコムのモデルは、きっとこの映画の製作総指揮を務めているPharrell Williams(ファレル・ウィリアムス)なのだろう。なんたって「N.E.R.D.」なんてグループ名で活動しているくらいだから、ファレルも学生時代は筋金入りの音楽オタクだったにちがいない。ファレルが学生時代にバンドで演奏していたように、『Dope』のマルコムも仲間とバンドを組んでいる。劇中流れるラップソングのうちの一曲「Scenario」の”気の利いた使い方”は、大のATCQファンであるファレルのアイデアか。映画では冒頭、マルコムたちが「White Shit(白人のすること)」に熱中しているため、周りからからかわれているって説明されるんだけど、その「White Shit」のリストのなかに、スケートボード、マンガ、大学進学などに混じって「Donald Glover(ドナルド・グローヴァー)」の名前が入っていて笑ってしまった。ところでマルコムたちのバンド名「Awreeoh」は、気取ってスペルこそ違えど、白人のように振る舞う黒人を揶揄した蔑称「Oreo(オレオ:外のビスケットは黒く、中は白いクリーム)」のことである。白人のすることリストに名前の挙げられていたドナルド・グローヴァーことChildish Gambino(チャイルディッシュ・ガンビーノ)も「Fire Fly」という曲のなかで、音楽性が「白い」と批判されることを受けて「オレオとかカマ野郎って呼ばれてた」とラップしていたのが思い出される。というわけで、マルコムたちが自らオレオを名乗るのはそういうわけである。ステレオタイプの黒人像と闘うのはガンビーノもマルコムも同じだ。それにしても、学校の中ではジョックスにいびられて、 放課後はギャングのブラッズに追い回されるマルコムたちフッドの黒人ギークは大変だな!


Dope Official Trailer


Pharrell Williams - When I Was 17


Childish Gambino - "Fire Fly"



 

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