2017年9月16日土曜日

ロイ・エアーズ「Everybody Loves the Sunshine」〜Just Bees and Things and Flowers



 タイラー・ザ・クリエイターのお気に入り曲を集めたSpotifyのプレイリスト『T'S PLAYLIST』を聴いていて、はたと気づいたんだけど、『Flower Boy』(17年)に見られる花、ミツバチのモチーフは、ロイ・エアーズ「Everybody Loves the Sunshine」に影響されているのではないか。「Just bees and things and flowers」。「Rusty」で歌われる「部屋にこもってネットばっかやってないで、外で遊ぼうぜ」という考え方も、ロイ・エアーズのこの曲譲りなのかもしれない。ほかにも『T'S PLAYLIST』を聴いていると、タイラーのあの曲の元ネタではと思わせるような発見があって楽しい(「I Ain't Got Time!」はデスティニーズ・チャイルド、「Mr. Lonely」はメイナード・ファーガソン、など)。タイラーが主催する音楽フェス「Camp Flog Gnaw Carnival」に、今年はロイ・エアーズが出演する。ロサンゼルスの陽の光を浴びながら聴く「Everybody Loves the Sunshine」生演奏が楽しみだ。


Roy Ayers - "Everybody Loves the Sunshine"


Destiny's Child - "Get On the Bus"


Tyler, The Creator - "I Ain't Got Time!"


Maynard Ferguson - "Mister Mellow"


Tyler, The Creator - "Mr. Lonely"

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ロジック来日



 ロジックが来日している『The Incredible True Story』(16年)でクリストファー・ノーラン『インターステラー』(14年)を、そして『Everybody』(17年)ではアンディ・ウィアーの短編小説『The Egg』(09年)をそれぞれ下敷きにしてアルバムを作ったロジック。旅先の美術館で出会った絵画に着想を得て『Everybody』のコンセプトが生まれたように、東京にやってきたロジックの次作『Ultra 85』(TBA)は、『AKIRA』のような日本の作品が題材になったりして(『TITS』のジャケット写真でロジックが着ている赤いジャケットは『AKIRA』が元ネタだ)。次回来日するときは、ライヴ公演をよろしくお願いします。

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2017年9月10日日曜日

アジズ・アンサリのインタビュー@「GQ Style」〜find some time to do something



 アジズ・アンサリのインタビュー@「GQ Style」のつづき。インターネット断ちして、本を読んでいるという話がとても興味深い。ツイッター、インスタグラム、メールなど、インターネット関連のアプリをすべて消したアジズ曰く、ネット中毒の現代人は、コンテンツの中身に関係なく、とにかく何か新しいものを見るためにネットに接続しているという。僕もiPhoneは便利な反面、時間泥棒にもなる恐ろしい道具だと思っていたので、アジズの考えには頷ける。とはいえ、さすがにネット断ちは真似できないけれど、iPhoneとの接触機会を減らすべく、LINEはやらないと決めている。ただ、初対面の人と連絡先を交換する段になったとき、LINEをやっていないと伝えるとすごい驚かれる。SNS中毒といえば、様々な文脈の「みんな」について歌ったロジックの『Everybody』(17年)のなかで、一番心に刺さった「みんな」が「Killing Spree」の「みんなケータイ画面のなかに人生を見出している」という歌詞。ネット依存に警鐘を鳴らすのはロジックだけでない。飛躍した解釈かもしれないけど、タイラー・ザ・クリエイターが「Boredom」のサビで繰り返し強調するメッセージ「find some time to do something」は、前作『Cherry Bomb』(15年)のテーマ「find your wing」の言い換えであるように思う。SNSに没頭したり、他人を妬んで噂話をしたりして無為に時間を過ごすのでなく、好きなことを見つけて有意義に生きろ、というのが、タイラーが『Cherry Bomb』で言わんとしていたことではないだろうか*1『君にともだちはいらない』などの著作で知られる瀧本哲史さんもこう言っている。「やりたいことが見つからない人もいる。やりたいことがあってもすでに道が閉ざされている人もいる。道があっても、向いていない人や専念できない人もいる。そうした中、やりたいことが見つかって、道があり、邁進する条件も揃っていて、あとは自分の努力だけなら、Just do itでしょ」


Tyler, The Creator - "Boredom"


Logic - "Killing Spree (feat. Ansel Elgort)"

*1:「Rusty」でも同じようなことを言っている「俺の世代の奴らはみんな揃いも揃ってレザーを着込んで、MDMAでトんでいる/天気が良いのに外で遊ばず、部屋にこもってタンブラー」

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2017年9月4日月曜日

MASTER OF NONE〜アジズ・アンサリとタイラー・ザ・クリエイター



 ドラマシリーズ『Master of None』(15年〜)が批評的に大成功をおさめたアジズ・アンサリが「GQ Style」誌のインタビューで、仕事は順風満帆だけど、私生活では孤独だし、うまくいってるけど、山のあとには谷がやってくるもの、というようなことを悲しげに語っているのを読んで、タイラー・ザ・クリエイターのことが頭に浮かんだ。『Flower Boy』(17年)におけるタイラーも、順調なキャリアに反して、虚無や孤独の悲しみについて歌っている。「November」という曲では、「クランシー(註:クリスチャン・クランシー。タイラーのマネージャー)に裏切られたらどうしよう/会計士が脱税して、懐を潤してたらどうしよう/俺の音楽ってやっぱり変わってるのかな/すべてを失って、ボロアパート暮らしに逆戻りになったらどうしよう」と没落することへの不安を吐露している。音楽、映像、ファッション、テレビ番組制作、フェス運営など、何でもできちゃう多才ぶりを発揮するものの、私生活では独りで寂しいタイラーこそ、まさに「マスター・オブ・ナン(器用貧乏)」なのであった。


Tyler, The Creator - "November"

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2017年8月27日日曜日

タイラー・ザ・クリエイター「Ziploc」



 タイラー・ザ・クリエイターの新曲「Ziploc」は、やはり孤独な心境について歌われた『Flower Boy』(17年)直系の一曲。「朝起きて独りぼっちなら、カネなんて紙切れ同然」、「誰も待っていない家に帰っても仕方ない」。孤独で息苦しいタイラーは、密閉されたジップロックのなかでもがいている。


Tyler, The Creator - "Ziploc"

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