2015年11月15日日曜日

キティのママから励ましのメール



 Kitty(キティ)がずいぶん前にタンブラーに投稿した、母からのメールをスクリーンショットで保存した画像をリブログして再度アップしていた。キティは今年8月、キックスターターでファンからデビューアルバム制作資金を募り、期間わずか一ヶ月にして、見事1,164名の支援者から計51,863ドルの資金調達に成功した(僕も30ドル提供しました!)。このメール画像を再アップしたということは、遂にアルバムが完成し、悩み苦しんでいた当時を思い返して感慨にふけっているということだろうか。楽しみ!

「アルバム制作ももうすぐ大詰め。でもこんなに頑張ったのに見返りがないなんて悲しすぎ」
「昨晩観たドキュメンタリー番組でジェイ・Zも最初はレコード契約が取れなかったって言ってたわ。デモテープを聴いてくれって頼んで回ったそうよ。それでワルの世界に足を突っ込んだんだけど、彼の良心がそれはいけない事だと告げたの。それからビジネスに取り掛かったんだって。彼はそれが本当にやりたい事だとわかっていたのね。愛してるわ」

ロジックの葛藤〜『The Incredible True Story』と『インターステラー』



 Logic(ロジック)の母はアルコールとドラッグ中毒、父は家を空けてばかり。兄はドラッグの取引に手を染め、友人は窃盗の罪で服役中。ロジックは生活保護を受け、フードスタンプで食いつないでいた。そんな過酷な人生体験を歌詞に綴ったのが1stアルバム『Under Pressure』(14年)だった。しかしロジックの場合、貧困や犯罪に彩られた実体験をいくら語っても、肌色の白さが災いし、リスナーからは彼が「ワルを装っている」と誤解されてしまうという葛藤を抱えている(ロジックの母は白人であるが、父はアフリカン・アメリカンである)。
 そこで2ndアルバム『The Incredible True Story』(15年)では、前作で披露したような自分語りは脇に置き、大好きなSF映画やアニメ作品に着想を得た作品づくりへと方向転換している。『The Incredible True Story』はストーリー仕立てのアルバムになっている。インタビューで「クリストファー・ノーラン監督の『インターステラー』(14年)に感銘を受けた」と語っているように、物語の筋書きはまさにインターステラーそのものだ。宇宙飛行士のトーマスと操縦助手のカイが、地球が居住不可となった世界で、第二の母星「パラダイス」を目指して宇宙を旅していく。前作ではアルバムの案内役として曲間のナレーションを担当していたタリア(A Tribe Called Quest(ア・トライブ・コールド・クエスト)の『Midnight Marauders』(93年)へのオマージュである)が、今作では『インターステラー』に登場する人工知能ロボットのTARSやCASE的な役回りを担って再登場する。人工知能と交わすユーモラスな会話も再現しようとしているのがうかがえる。クエンティン・タランティーノ好きとしても知られるロジックだけど、ノーランとかタランティーノとか映画の趣味がミーハーで親近感を持てる。ロジックは1990年の早生まれだから僕と同学年なんだよな。ロジックと友達になりたい!


Logic - "Young Jesus (feat. Big Lenbo)"


Thomas' Message Home


Kai's Message Home



メトロ・ブーミン、物申す〜Metro Boomin Doesn't Want Anymore!?



 Metro Boomin(メトロ・ブーミン)が近頃のラップミュージックの潮流に一言物申す! 日々大量の楽曲、ミックステープがネット上に公開されている今の状況を、メトロ・ブーミンはあまりよく思っていない。具体的には、今のミックステープ市場を「粗製乱造」と考えているようだ。僕もメトロ・ブーミンのこの考えには同意である。粗製乱造の謗りを受けたと思い込んだYoung Thug(ヤング・サグ)との間に一悶着あったりと波紋を呼んだ今回のメトロ・ブーミンの問題提起発言だが、そんなヤング・サグや、Future(フューチャー)などのミックステープ作品に多くの楽曲を提供する、現行のミックステープ市場に大きく携わるインサイダーであるメトロ・ブーミンからこのような発言が飛び出したことはきわめて重要だと思う。提供されたトラックに適当な歌詞を乗せてラップして(合間合間に奇声なんかも入れて)、ある程度曲数が溜まったらミックステープとしてリリースする。リリース後もレコーディング作業は休みなく続けられ、またある程度曲数が溜まったら間髪入れずに新作ミックステープとしてリリースするというのが今のラッパーたちのやり方だ。これだけ作品数が多く、またリリースペースも早いと、曲によっては一回だけ聴いておしまいなんてこともザラにある。そのような状況では、メトロ・ブーミンのようなプロデューサーの立場からすれば、丹精込めて制作したビートが「軽く」扱われていると思って憤慨したとしても当然である。メトロ・ブーミンといえば、お決まりのDJタグ「Metro Boomin want some more」で有名だが、当の本人はミックステープに関して、今のような粗製乱造の状態が続くなら「もう要らない」みたいである。

「毎朝起きると、空から降ってきたみたいに新しいミックステープが続々リリースされている...このトレンドを作ったのが誰かはみんなもわかってると思う笑。#これはあくまで一個人の意見 ネットの連中はなんでも物知り顔でツイートするけど、俺は別に彼が最初に始めた人物だって言いたいわけじゃない。でも数年前まではアーティストはこんなにも大量の音源をリリースしていなかった。それが今では毎月数枚のミックステープをリリースしている。これまでは音源を録り貯めていたのに。俺がリル・ウェインのことを知らないとか、世代が違うから聴き逃してるとか言いたげなやつがいるみたいだな。最近は読まずにツイートするやつがいるのか笑。2014年以前の話をするのはなし。俺は「今の」ラップミュージックの状況について話してるの。グワップとウィージーの伝説は誰でも知ってること。分かりきったことを説明する必要はないだろ。俺が言いたいのは、みんなにはもっと世に送り出す音楽の量より質を重視してほしいってこと。これは短距離走でなく、長距離走なんだ。この話の教訓は、一年に五枚のミックステープをリリースすれば必ずしもフューチャーみたいに成功をおさめることができるかというと、そうではないということ。彼のやり方であって、誰にでもあてはまるわけではない。これからリリースするつもりの五枚のミックステープから、それぞれホットな曲を選り抜いて、それらをまとめて一枚のミックステープとしてリリースするべき。#質に勝るものなし」



















2015年11月8日日曜日

タイラー・ザ・クリエイター『GOLF BOOK』〜エミネム『The Marshall Mathers LP』



 Tyler, The Creator(タイラー・ザ・クリエイター)が『GOLF BOOK』に書いた「お気に入りアルバムについてのエッセイ」のうち、Pharrell(ファレル)の『In My Mind』(06年)に次いで文章量が多い、すなわち熱量が高い作品が、Eminem(エミネム)の『The Marshall Mathers LP』(00年)である(ちなみに、タイラーの生涯ベストアルバムであるN.E.R.D.の『In Search Of...』(03年)については、「生涯一のお気に入りアルバム。この作品が俺にどれだけ感銘を与えたかは、とても言葉では説明できない。十一歳のときに買ったこのアルバムは、俺にとって神のように永遠の存在としてあり続けていく」と簡潔ながらも、最大限の敬意を払って思いを書き綴っている)。この文章を読んで、エミネムの影響を受けたタイラーが『Bastard』(09年)のような作品を作ったのは当然の帰結であると、あらためて実感した。タイラーとエミネムには是非とも、お互いのオルターエゴ名義でコラボ曲ないし、コラボアルバムを制作してもらいたいなあ。「スリム・シェイディ&ウルフ」とか「スリム・シェイディ&ドクターTC」といったユニット名で、超残忍かつ暴力的な内容の作品がいい。もし僕がタイラーに会って話す機会があれば、「あなたがエミネムから受けたのと同じように、僕もあなたの作品から大きな衝撃を受けた」と伝えたい。以下は拙訳なり。

EMINEM, "THE MARSHALL MATHERS LP"
エミネムが俺たち若者を惹きつける理由については、テーベがうまく説明してくれている:「彼はアニメのキャラクターみたいだ」。『The Marshall Mathers LP』は俺の愛聴盤だが、彼のベストソングは『The Chronic 2001』収録曲であることに疑いの余地はないだろう(今の俺のお気に入りは「Light Speed」だけど)。小学校三年生のとき、午後の三時、下校の時間。俺は校舎を出て、母ちゃんとのいつもの待ち合わせ場所へと歩いていった。車のドアを開け、フロントシートに座るところまではいつも通りだった。でも床に小さな袋があるのに気がついた。この形には見覚えがあるぞ、これは俺の大好きな形状、そう、CDケースだった。袋から取り出してみると、うおおおおおお、エミネムの新作アルバムだったんだ! 嬉しくて今にも泣きだしそうになりながら、俺は母ちゃんにディスクを入れるよう頼んだ。CDが再生されると、母ちゃんの頭はイカれちまった。それは冗談だとしても、このときがすべてを変えた瞬間だったのは間違いない。残りの人生で俺がやり遂げたいことを理解したんだ。「Kill You」から「I'm Back」まで、俺は放心状態に陥った。それは人生で聴いたなかで最高に素晴らしいものだった(とはいえ、たったの九年間という短い人生ではある)、がしかし、16曲目にさしかかると、九才の俺の頭脳ではもう対処しきれなくなってしまった。俺は同年代のほかの子が考えないようなことなんかも理解した賢い少年だったが、「Kim」はそれまで経験したことのないネクストレベルのものだったんだ。あんな内容の代物は聴いたことがなかった。おっぱいを見たこともあったし、女子に指を突っ込んだこともあったし、万引きもやったし、銃を見たこともあったけれど、この曲は九才の俺には別次元に感じられた。ストーリーテリングの巧みさ、詳細な描写、罵り言葉、あの安っぽいギターの音、それは美しくもあった。俺の友人たちは「Kim」が「Kids」という曲に置き換えられた修正版のCDを持っているということを知った母ちゃんは、自分が間違った決断をしたかもしれないことに気がついた(「Kids」も悪くはないが「Kim」と比べると、だいぶ劣る)。それから「The Way I Am」は今の方が理解が深まっているし、共感を持って聴くことができる。振り返ってみると、「Who Knew」が最重要曲かもしれない。いや、前言撤回するようだが、やっぱりアルバムの全曲が重要なんだ。「Remember Me」でのスティッキー・フィンガーズには、マーシャルに肉薄する勢いがある。「Amityville」でのビザールもやばい。「Drug Ballad」もやばい。「Stan」はどうかって? なんだよコレ! ラップが上手すぎる。描写が詳細で秀逸。ただ残念なことに、彼は服装がいまいちクールじゃないんだ。


Eminem - "Kim"


Eminem - "The Way I Am"


Eminem - "Stan (feat. Dido)"

タイラー・ザ・クリエイター『The Jellies』第四話「Nigeria」



 GOLF MEDIAで絶賛配信中のTyler, The Creator(タイラー・ザ・クリエイター)制作のアニメシリーズ『The Jellies』(15年〜)第一話を観た感想として、現実の人生で父とふれあうことの出来なかったタイラーが、その穴埋めとして、作品を通じて擬似的に父との交流をはかっているのでは?と書いたけど、第四話を観たところ、この見立てはあながち間違いではなかったように思える。第四話の舞台はナイジェリア。いつものように主人公カーネルが大騒動を巻き起こす。カーネルはナイジェリアの闇組織のメール詐欺にまんまと引っかかり、テロリストに誘拐されてしまう。それを今回もまたお父さんクラゲが解決しようと奔走する。第四話では注目すべきことになんと、タイラーが本人役で登場! 息子の救出に向かう飛行機の機内でお父さんクラゲは休暇中のタイラー・ザ・クリエイターに遭遇する。お父さんクラゲの渡航理由(息子の救出)を聞いたタイラーは「あんたみたいなお父さんがいて羨ましいなあ...」とこぼす。タイラーの作品に親しんでいる人間なら、胸が締め付けられる思いに駆られること必至の場面である。その後タイラーはイヤホンを耳にし、目に涙を浮かべながら窓の外を見つめるのであった...。見ていて思わず泣きそうになった。しかも、極め付けに、タイラーがイヤホンで聴いている音楽は、自分を捨てた父親に電話をかけ「受話器を取ってよ、話がしたいんだ」とエモーショナルに歌う「Answer」なのだ! タイラーはカーネルを自分の分身として、「もしかしたらあり得たかもしれない幸せな家族」を描こうとしているのかもしれない。



Tyler, The Creator - "Answer"

KOHH「社交」



 KOHHの「社交」(3rdアルバム『DIRT』(15年)収録)って、2 Chainz(2チェインズ)とかUSのラッパーが使う「skrrr!」に掛けているのかな。「skrrr!」は車の立てる「キキーッ!」という音のこと。「シャコウ」と「シカー!」。こういう言葉遊びに限らず、KOHHは非常に「USのラッパー」っぽいと思う。ただの猿真似だと批判する気はさらさらないし、むしろそこが大きな魅力だと思う。リリックはなんというか、小学生の書いた作文的というか、ひらがな表記が合う感じというか、「ぼくはこれがすき」「あれはきらい」「ともだちとあそんでたのしかった」「しにたくない」みたいな単純明解さ、思っていることや頭に浮かんだことをそのまま吐き出したようなフリースタイル感が、Young Thug(ヤング・サグ)ら、いまどきの新進気鋭ラッパーと通じるところがあるような印象を受ける。ラップアルバムの日本語盤の対訳歌詞っぽさがあると言ったらわかるだろうか。USヒップホップ直系のトラップサウンドに日本語の歌詞が乗っているとなんか違和感を覚えることが多いのだけど、KOHHの場合そうした齟齬がなくスッと聴けてしまうのは、歌詞の構造も現行のUSラップに近いからだと思う。


KOHH - "社交"


Kanye West - "Clique (feat. Big Sean & Jay Z)"

2015年11月3日火曜日

タイラー・ザ・クリエイター『GOLF BOOK』〜ファレル「You Can Do It Too」



 Tyler, The Creator(タイラー・ザ・クリエイター)率いる「OFWGKTA(Odd Future Wolf Gang Kill Them All:オッド・フューチャー・ウルフ・ギャング・キル・ゼム・オール)」は元々、雑誌を作ることを目的として結成された集団であったわけで、この『GOLF BOOK』の完成をもってタイラーはまたひとつ大きな目標を達成したことになる。おめでとう、タイラー!『GOLF BOOK』はタイラーが今年発足させたサブスクリプション型サービス「GOLF MEDIA」の初回申込者に限定配布された雑誌である。簡単にその内容を紹介すると、最新アルバム『Cherry Bomb』(15年)の歌詞・クレジットにはじまり、タイラーのお気に入りアルバムについて書かれたエッセイ、タイラーの大好きな映画『スーパーバッド 童貞ウォーズ』(07年)の脚本を手がけた俳優セス・ローゲンへのインタビューなどのテキストのほか、タイラーが監督したミュージックビデオの絵コンテや、アパレルブランド「GOLF WANG」の2015年春夏シーズンのコレクション写真、アイデアスケッチの数々など、ヴィジュアルコンテンツも満載。とにかくタイラーの「好き」がぎゅぎゅっと詰まった1冊になっている。誌面の途中途中にはタイラーのお気に入りアルバムの広告(正確には広告を模したページ)が載っているんだけど、Kanye West(カニエ・ウェスト)の『Late Registration』(05年)や、Leon Ware(リオン・ウェア)の『Musical Massage』(76年)が、さもリリースされたばかりの作品であるかのように「好評発売中!お求めはお近くのレコードショップで」みたいな宣伝文句を伴ってデカデカと載っているのを見たときは、タイラーの対象への愛の深さに驚嘆しつつも、思わず笑ってしまった。そんな内容盛りだくさんの『GOLF BOOK』だが、一番の読みどころは何と言ってもタイラーがお気に入りアルバムについて熱い思いを綴ったエッセイだ。このエッセイには『Cherry Bomb』でタイラーが見せた「変化」を読み解くうえで重要なヒントが隠されているように思う。以下はタイラーの敬愛してやまないPharrell(ファレル)のソロデビュー作『In My Mind』(06年)について書かれたエッセイの拙訳である。「FIND YOUR WINGS」という自己啓発的なメッセージを掲げ、若者の自己実現を応援する『Cherry Bomb』は、ファレルが「俺に出来たんだから、君にも出来る/恐れずに空に目を向けてみて」とリスナーを勇気づける「You Can Do It Too」に影響を受けているに違いない!

PHARRELL WILLIAMS, "IN MY MIND":
2006年は俺にとって特別な時期だ。俺はお気に入りアーティストが作り上げた過去最高傑作に熱中していた。いったい何から話し始めればいいのかわからない。というのも、服の着こなしや物の考え方、そしてこれが一番重要な点だが、音楽への接し方といったあらゆることをこのアルバムから学んだんだ。そんじゃ、まずは服の話から始めるとしよう。色使い、全面プリント、ジュエリーはとても派手だったけど、それは他の誰にも真似できないような装いだった。ジャズやロックを熱心に聴き、高級車を乗り回し、高価なジュエリーやゴヤールのトランクで着飾ったこの黒人は、スケーターの仲間とつるみ、彼を取り囲む女性はみな10点満点級のゴージャスな女性だった。クールとされるものがすべて凝縮されていたんだ。「Mr. Me Too」のミュージックビデオを見たときのことはよく覚えている。あの犬柄のプリントに完全に心を奪われちまった(あれは今でも最高のビデオだ)。では音楽面はというと...アルバムのどの曲も違った魅力を持っている。「Can I Have It Like That」は、ジャズ制作キットとアップライト・ベースで出来た曲。それ以上でも、それ以下でもない。とても90年代的で、ファレルがチェーンネックレスとか自家用飛行機とかなんとかについて自慢しているだけ。というのが、多くのひとのこの曲に対する見方だろう。俺はどう思うかって? 俺はこんな風に思った「うわ、不釣合いな黒人でもこんなにクールなものを持つことが出来るんだ」。彼は典型的なラッパーのように振る舞わなくても、ジュエリーやたくさんの女性やフェラーリを「俺たち」が手にすることを可能にしたんだ(それから彼はビデオに「チーム・アイスクリーム」というスケートチームを出演させている ーVol.1を見たことがないなら、見てみてくれ)。「That Girl」ほどすばらしい曲は俺には作れないだろう。あのストリングス、TR-808、声ネタ、旋律、そしてチャーリー・ウィルソンの使い方が完璧。「I Really Like You, Girl」(まるで80年代映画のよう!)は、ファレルがR&Bから受けた影響が色濃く出ている:プリンス風のドラム、スティーヴィー・ワンダー「Music of My Mind」のコード進行、ジャスティン・ティンバーレイクのリズム。この曲もアルバムの中ではお気に入りだ。(「Raspy Shit」は史上最低の曲。この曲とこの曲が好きだという奴はクソくらえだ)アルバムを聴いたその日から「You Can Do It Too」という曲が耳から離れなかった。学校の先生でも、母親に聞かされた話でもなんでも、この曲以上に俺を行動するよう駆り立てたものはない。俺はまさに彼が曲のなかで歌っているような少年だったーー当時からそう思っていたし、今でもそれは変わらない。ジャズのライブラリー・ミュージック風のサウンドは俺の心を落ち着かせ、楽曲に集中させてくれる。ジェイミー・カラムの弾くブリッジはこれ以上ないほど完璧。Pのチェーンを見るたびに俺はオタクっぽく興奮してしまうのだけど、強く望めば俺にも手に入れられるという意味で、彼はいつも「そいつは君のものさ」と言ってくれるんだ。この言葉をいつも意識することで、望んだものはすべて手にできると信じることができる。「CC The World」という曲が重要なのはそういうわけ。初めてのペンダントー猫の顔型で、イエローダイヤモンド、レッドルビー、ブラックダイヤモンド、そして目の部分はブルーサファイアで出来ているーを手にしたとき、最初にメールで報告した相手がPだった(皮肉なことに、ペンダントを手がけた宝石職人がまさにその瞬間、彼と一緒にいたんだ)。彼は「やばい」って表情の顔写真付きで返事をくれた。俺は認めてもらったんだ。近ごろのレコード会社はおかしくて、作品の成功やその影響力をアルバムのセールスだけで判断する。だから当時、レコード会社はPの作品を失敗作と考えた。彼が歌のなかで語りかけている相手というのは、ショッピングモールに出掛けて、ラジオでトップ10ソングを聴くような連中ではないってことを知りもせずに。彼の作品はそういうのとはまったく別次元のものであって、俺みたいなひとを本来の自分にしてくれるんだ。つまり俺が言いたいのは、Pがいなければ、俺みたいな野郎の居場所も、今君が読んでいるこの記事も存在しないってこと。だから要するに:ありがとう、ファレル・ウィリアムス。(オーケー、ベタ褒めするのはこの辺でよしておこう)


Clipse - "Mr. Me Too (feat. Pharrell Williams)"


Pharrell - "You Can Do It Too"


Pharrell Williams - "CC The World (feat. Cara Delevingne)"



 

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