2018年8月5日日曜日

続々々々・カニエ・ウェスト『Ye』〜グレッグ・マキューン『エッセンシャル思考』



 カニエ・ウェストが読んだという本『エッセンシャル思考』読了。原題は『Essentialism』。日本語版の副題は『最小の時間で成果を最大にする』。ただ漫然とこなすだけの仕事に忙殺されるのでなく、本質(ルビ:エッセンス)を見極め、無駄を省き、大事なことだけに集中することでパフォーマンスを高めましょう、ひいては人生を実り豊かなものにしましょうという趣旨の自己啓発本である。最近のカニエの言動は、この本の内容に基づいてなされたのではと思いながら興味深く読んだ。全世界が非難囂々(ひなんごうごう)だった「奴隷制は選択」発言も、本書が提唱する思考法に触発されたのだと思えてくる。評判の悪かったあの発言でカニエが真に言わんとしていたことは「精神の奴隷化」、つまり黙ってされるがままの受け身の姿勢でいるのはやめようということだと思うんだけど、『エッセンシャル思考』にもこんな一文がある。

「私たちは長いあいだ、選択の外的側面(どんな選択肢があるか)にばかり目を向けて、選択の内的側面(選ぶ能力)を見過ごしてきた。この違いは重要だ。選択肢(物)を奪うことはできても、選ぶ能力(自由意志)を奪うことは不可能である」(グレッグ・マキューン著、高橋璃子訳『エッセンシャル思考』かんき出版)

 本書には「より少なく、しかしより良く」といった類のことがたびたび書かれているけど、『Ye』(18年)を含む、5週連続でリリースされた一連のカニエ・プロデュース作品がどれも7曲という少ない収録曲数だったのも、本書のエッセンシャル思考に影響されての戦略だったのかもしれない。

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