もうなんなのこれ。腹立たしい。オーストラリアの活動家団体が、同地でのライブ公演を控えるタイラー・ザ・クリエイターの入国を阻止しようと移民相にビザ剥奪を求める嘆願書を提出した。タイラーの「女性差別的」な歌詞を問題視しての抗議活動らしいけど、タイラーが「亡骸になったお前を森に引きずっていって犯してやる(「She」より)」とか凶悪なことを言ってたのは昔の話だから。若者の自己実現を応援する『Cherry Bomb』(15年)を聴いてもらいたい。それにしても、こういう良識派ぶった連中からは「レイプなんてとんでもない!」と批難される一方、古参のファンからは「ポジティブになってつまらない!」とそれとは真逆の要求をされるタイラーは大変だなあ(似たような事例として「Rusty」でも、甘美でメロディアスな曲のファンと暴力的な曲のファンとの板挟みについてラップしていたのを思い出した。「"Analog"のファンはレイプに飽き飽き、"Tron Cat"のファンは湖(レイク)にうんざり」)。嘆願書では「今日のオーストラリアでは週に2人の女性が近しいパートナーによって命を奪われています。ヴィクトリア警察ではDV被害者からの通報を10分毎に受けています。このような社会的背景を踏まえるなら、タイラーの歌詞は女性への暴力を助長する危険性を孕んでいると言えるでしょう」とかつらつら書いてるけど、それ本質的にはタイラーと無関係でしょ。犯罪の要因を聴いている音楽とかその人の属性にばかり求める風潮は、そろそろどうにかならないものだろうか。
Tyler, The Creator - "She (feat. Frank Ocean)"
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