2018年6月24日日曜日

続・カニエ・ウェスト『Ye』



 カニエ・ウェストの『Ye』(18年)について、自意識の肥大化したカニエが“カニエ”と正面から向き合い、和解した・自己受容を果たした作品だと書いたけど、その後カニエがいまの心境をツイッターに連投した。
「エゴを殺した」ということは、「I Thought About Killing You」でカニエが殺そうとしたのはやはり“カニエ”自身なのかもしれない。

自尊心を捨てて与える

偉大であるために自尊心はいらない

俺はエゴを殺した

カニエ・ウェストがエゴを捨て去ったらどうなるか?
それがイェ

こんな気持ちになるのは初めてだけど、これがいまの俺。理由はわからない。エゴのおかげで疑い深い連中に惑わされず、自分を信じてやってこれたのだと思ってた。でももっと良い方法があったんだ

 こうなるといよいよ、ポジティブなメッセージを通して自己受容の尊さを伝えるロジックやリル・Bたちを連想しないわけにはいかない。『Ye』は実際にそういう文脈で受け取られているみたいだし。

「このアルバムは精神病棟から出たばかりの僕がまさに求めていたもの。カニエの声を聴いて正気に戻れた。もう二度と自殺なんてしないと約束する」

「カニエとキッド・カディは、心の病をかかえる世界中の人たちをスーパーパワーによって自由にしてくれてる」

『808s & Heartbreak』(08年)のキッド・カディに始まり、『The Life of Pablo』(16年)のチャンス・ザ・ラッパーにいたるまで、カニエには毎回作品ごとにミューズ的な存在がいると思っていて、今回はそのミューズがいまどきの「うつ患いラッパー」だったのではないだろうか。すごくいじわるな言い方をすれば、また“流行りに便乗した”と言えなくもない。カニエのやり方をサンプリングととるか、パクリととるかは意見の分かれるところだと思う。ただし躁鬱に悩まされていたのが間違いないことは、傍から言動を見ていればわかる。賛否両論ある『Ye』だけど、カニエも言っている通り、良くも悪くもとどのつまり、all we gotta do is speak on yeなのだ。

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