2018年4月8日日曜日

小袋成彬『分離派の春』



 小袋成彬がキュレーションしたプレイリスト『分離派の春』収録の「042616@London」の語りにいたく感心した。ここで語られている芸術のあり方は、ストリーミングサービスを使って音楽を楽曲単位で聴くことがあたりまえになった現代にアルバムを作る意義を考えさせる。何かにつけ作品に意味やテーマを見いだそうとする態度をミュージシャンは好まないかもしれないけど、Spotifyで音楽をつまみ聴きするようになってからは「必然性」「物語」を感じさせてくれるアルバム作品にいっそう強く惹かれる。
『分離派の春』は、この語りの次にケヴィン・アブストラクトの曲を配置するという選曲の妙にも唸らされた。性的マイノリティの声を作品化したケヴィンの歌はまさに「どうしてもそれを作品化しなければならなかったという必然性」を感じさせるものだ。キャンプ・フログ・ノーのステージでケヴィンが「どうしてゲイの歌ばっか歌ってるのかって? 誰も歌わないからだよ」と叫んでいたのを思い出した。

“芸術っていうのは関わらなくてもいいものなんです。なくてもいいものなんですね。別になくても生きていける。だからほとんどの人は、生涯にひとつも作品なんか残さないわけでしょ。でもじゃあなぜ作品を残すか。作品を残す人々、芸術家たちがなぜそれを残すかっていうと作品そのものが必然、すなわち小袋君もそうだろうけれども、それを生み出さなければ前に進めないっていう、作品という形に置き換えることによってひとつケリをつけていくっていうところがある。それは三島由紀夫も川端康成も、ベートーベンもラベルもリヒャルト・シュトラウスも宮崎駿もみんなしてきたこと。どうしてもそれを作品化しなければならなかったという必然性。それが芸術であって”ーー小袋成彬「042616@London」


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