2017年7月17日月曜日

Funk Wav Bounces〜w*** a** verses



 ラップが主役の作品ではないけれど、客演ラッパーがことごとく死んだように面白くないのは、制作する上で意図的なディレクションがあったからなのだろう。「皆さま、本作におかれましては、いつものハードなラップはどうかご遠慮ください。私ごときが皆さまに対して注文を付けるなんて、おこがましいにも程があるのは重々承知しておりますが、本作では、南国のリゾートをイメージしたような作品を目指しておりまして、例えば、DJキャレドさんの作品に参加された方々があちらで録音されたような、好戦的な歌詞や過度な財産の自慢、性的な隠喩などは、なんと申し上げましょうか、少し方向性が違うと申しますか。ご存知ないかもしれませんが、小生、以前はEDMという音楽をやっておりまして、手前味噌で恐縮ですが、そこそこ人気のあるDJでございます。そのときに一財産築いておりますから、と申しましても、もちろん皆さまと比べれば足元にも及びませんけど(苦笑)、ギャラの方は、それはもうたんまりとお支払いさせていただく所存ですので、どうか今回はあまり力まずにお願い申し上げます」。本作の客演陣のラップを聴いていると、昼の情報番組に出ているときのお笑い芸人を観ているような気分になる。もしくは、気が抜けたコーラを飲んでいる時の気分。大衆向けに取り繕われた、腑抜けた感じ。タイトルの「Wav」は、wack ass versesの略なのかと考えたくなる。彼らの中で唯一、リル・ヨッティだけがいつもの調子のように聴こえるのが、皮肉にも本作のラップの質を物語っているように思う。ただし、あろうことか、"LIT"でないトラヴィス・スコットという、たいへん貴重な録音が聴けるので、カルヴィン・ハリスの『Funk Wav Bounces Vol. 1』はおすすめです(STRAIGHT UP!)。

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