2017年4月1日土曜日

ロジック『Everybody』のアートワーク



 Logic(ロジック)の3rdアルバム『Everybody』(17年)のジャケット写真が公開された。前作『The Incredible True Story』(15年)、前々作『Under Pressure』(14年)に引き続き、本作のアートワークもアーティストのサム・スプラットが手がけている。サム・スプラットが今回のアートワーク制作に至る経緯を明かしている。曰く、ロジックが旅のなかで出会った『カナの婚礼』という絵画に着想を得たという。また、ロジックがインタヴューで語ったところによれば、『カナの婚礼』でイエスが占める位置に座っているロボットは、本作のテーマ「Everybody=みんな」を象徴しているとのこと。ロジックがアートワークにサンプリング手法を用いたのはこれが初めてではない。『インターステラー』の宇宙探索ストーリーをなぞらえた物語が展開される前作『TITS』のアートワークは、ウェス・アンダーソンの『ライフ・アクアティック』のヴィジュアルイメージを参照したものだった*1
 さらに『Everybody』は、アンディ・ウィアーの『The Egg』という短編を下敷きにしているらしい。このサンプリング精神旺盛な作風は、もちろんヒップホップの伝統ではあるけど、これまで作中で何度も言及されてきた、ロジックの大好きなタランティーノの作風からも影響を受けているのは間違いない。


Logic - Everybody (Album Trailer)


 ロジックは黒人の父を持つも、肌の色が白いために、白人扱いされ差別を受けてきた。粗悪な家庭環境で育ち、白人の母にはNワードで呼ばれていたという。『Everybody』は、バイレイシャルの人間としての立場から人種問題に向き合った作品になるようだ。

これまでのアルバムでは深く踏み込んで触れずにいたテーマについて話したいと思うーー俺の人種についてだ。この曲は、俺が経験した差別がほかの人の経験よりひどいとかそうでないとか言いたいわけではないーー今日のアメリカ社会に生きるバイレイシャルの人間として俺が経験してきたことについての愚痴みたいなものだ。お前はこれ、お前は違うとかいう他人の決めつけや、他者からの承認が自己承認につながるのだという考えは、社会によって信じ込まされてきた残忍な嘘だ。俺はどんな人種差別、憎しみ、暴力を経験しようとも、鏡に映る自分を愛し続ける。物事は白黒つけるべきだと言われるけれど、俺はそうした考えは無視して、あるがままにこの世界を受け入れるーー色とりどりの多様性を。これは俺のアイデンティティについてだけでなく、みんなからアイデンティティを奪おうとする奴らとの闘いについての歌である。 


Logic - Everybody

*1:惑星パラダイスに到達して“人生”に遭遇する壮大な結末に限っては『インターステラー』というより、『ゼロ・グラビティ』で地球に帰還したサンドラ・ブロックが大地を踏みしめるときの感動を想起した。

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