2017年4月16日日曜日

ロジック「Black SpiderMan」




ヴィンス・ステイプルズ:コーチェラの会場をぶらついて、黒人を祝福する週末。
男:何を祝ってんの?
ヴィンス・ステイプルズ:黒人であることだよ。
男:それなら俺も病院で白人の新生児に対して同じことをするんだけど、どういうわけか人種差別主義者扱いされるんだよね
ヴィンス・ステイプルズ:お前、ロジックみたいなやつだな

 これはVince Staples(ヴィンス・ステイプルズ)と彼の発言に絡んできた男とのツイッターでの会話である。コーチェラを楽しむヴィンスに男が水を差す。男は「troll」と呼ばれるような、いわゆる「釣り、荒らし」の類なので真剣に取り合う道理はないが、ヴィンスの発言の揚げ足をとって、白人に対する逆差別(この場合は黒人が黒人であることを祝うのは許されるのに、白人がそれをすると人種差別だとされること)を言っているのだ。くだらない。ヴィンスは男の狙いをわかったうえで、あえて言葉を額面通り(生まれついた人種を誇りましょう)受けて、皮肉とユーモアを込めて「Logic(ロジック)みたい」と返しているのだろう。
「Black SpiderMan」は、この会話で取り沙汰されているロジックというラッパーの性格を体現したような曲である。既報通り、「Black SpiderMan」はロジックのバイレイシャルという自身の立場に依って、肌の色、宗教、性的指向による差別や排斥に対するアンチテーゼを歌っている。政治的に正しく、崇高なメッセージだ。僕は感動したのだけど、ヴィンスの発言を考えると、そういった多様性の尊さを声高に叫ぶロジックの態度が、真面目くさった、鼻持ちならない、嘲笑の的とされていることがうかがわれ、あらためて人種問題の複雑さを思い知らされるのである。翻って、それゆえにブラック・スパイダーマンの誕生が希求されるのだ。


Logic - "Black SpiderMan (feat. Damian Lemar Hudson)"



0 コメント:

コメントを投稿

 

T H A T S * I T C R A Y ! Copyright © 2011 -- Template created by O Pregador -- Powered by Blogger