2017年3月15日水曜日

フューチャー『HNDRXX』〜エックスはXでなく、EX



 今週に発売が迫ったDrake(ドレイク)の6thアルバム『More Life』(17年)は、ドレイクの仲間たちをたくさん招いた「プレイリスト」になると言われているが、どのような作品になるのだろうか。ドレイクといえば、共演回数の多いFuture(フューチャー)が『HNDRXX』(17年)で、失恋男の傷心をメロディアスなトラックに乗せて歌う、というドレイクの十八番芸をやっており、ドレイクのお株を奪ってしまっている感がある(※)。『HNDRXX』でのフューチャーの脳裏には、破局した元フィアンセCiara(シアラ)の存在が憑きまとって離れず、曲中で彼女に対する嫌味を口にする姿は、元恋人のことを未練がましく想い続けるドレイクのようである。The Weeknd(ウィークエンド)とRihanna(リアーナ)という客演の布陣もドレイクっぽい。アルバムのタイトル『HNDRXX』は読みづらいが、フューチャーの別称「(フューチャー・)ヘンドリックス」を変則的に綴ったものだ。「X」が重ねられているのが気になる。フューチャーが「X」について言及する際、これまでであれば「xan(xanny、xanax、ザナックス、抗うつ薬、レクリエーション・ドラッグとして服用)」や、エクスタシーの俗称としての「X」と理解していたことだろう。錠薬の瓶をシャカシャカ振って、よりどりみどりのドラッグをキメまくる『DS2』(15年)の冒頭は、フューチャーと「X」のズブズブな関係性を象徴するような場面である。しかし、『HNDRXX』の場合、フューチャーの言う「エックス」が意味するのは、多くの場合エクスタシーほかドラッグのことではない。それは言わずもがな「EX(ex-girlfriend、元恋人)」のことである。アルバムタイトルに「E」が欠けているのは、「X」が「EX」だから、と考えるのは深読みのしすぎだろう。


Future - "Turn On Me"

※:フューチャーがドレイカイズ(drakize)されたのは、今回が初めてではなく、「Where Ya At」という曲では、ドレイクのもう一つの十八番芸と言える「売れていなかった時代に受けた冷遇を糾弾、そして手に収めた成功をひけらかす」を見事にトレースして演っている。

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