2016年9月11日日曜日

トラヴィス・スコット『Birds in the Trap Sing McKnight』



 トラヴィス・スコットって表層的というか、無個性とは言わないまでも匿名的で、なんか薄っぺらいんだよなあ(貶しているわけではない)。つかみどころがないというか。顔が見えない、輪郭がぼやけている印象を受ける。トラヴィス・スコットの歌を聴いても、彼がどんな人物なのかがいまひとつ伝わってこないのだ。ラップミュージシャンのオリジナリティを決定づけるものって、その人物にしか語り得ない「物語」だと思っているのだけど、トラヴィス・スコットの歌にはナラティブ(物語)がないように思う。物語といっても、そんな立派なものでなくてもよくて、はったりでもいいんだけど、何処何処で誰々と何々したみたいな個人的なエピソードを歌にするというのが、ほかの音楽にはあまり見られないラップミュージックの面白さのひとつであるように思うし、そういった言葉からその人物の人柄も垣間見えたりするのだけど、トラヴィス・スコットの場合は奇妙なぐらいそれがない(「Apple Pie」という曲に感動したのは、トラヴィス・スコットにしては珍しく人間味が感じられるから)。「個」がトラヴィス・スコットの作品には欠落している。『Birds in the Trap Sing McKnight』(16年)然り、トラヴィス・スコットの作品のジャケット写真に目を移してみると興味深い共通点に気づく。どれも「顔が見えない」のは、匿名性を意図した演出なのだろうか。



Travis Scott - "Pick Up the Phone (feat. Young Thug & Quavo)"

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