2016年2月9日火曜日

ドレイク「Summer Sixteen」



 Drake(ドレイク)が「sixteen」、「looking for revenge(復讐の機会を狙ってる)」とか言ってるのを聞くと、イケてなかった16歳の頃を振り返りつつ、有名人になった今の地位や名誉を喧伝して、かつて自分を不当に扱った連中への復讐を図る「負け犬の逆転劇」を期待するのは、「同窓会リベンジ」を企てる「Pound Cake」や、献身的に尽くすも自分を捨てた元恋人に「売れた今の俺」の話をして見返そうとする「How Bout Now」を連想してしまうから。ドレイクは最強の「三枚目ラッパー」だと思う。奇妙で愉快なへなちょこダンスが話題を呼んだ「Hotline Bling」がわかりやすい例だけど、ドレイクは道化を演じることに自覚的で、なおかつそれが上手い。「Summer Sixteen」を聴いて笑ってしまったのは、ドレイクのゴーストライター起用疑惑を口火に喧嘩中のMeek Mill(ミーク・ミル)への復讐方法。なんでも聞くところによれば、ミークがガールフレンドのNicki Minaj(ニッキー・ミナージュ)と一緒にツアーでドレイクの地元トロントを訪れた際、ドレイクは二人の宿泊したホテルの部屋のちょうど真上の部屋を借りて、ディス曲「Back to Back」を階下のミークに聴こえるように繰り返し再生したとか(I let the diss record drop, you was staying right below me/We must play it a hundred times, you was going to bed)。ニッキーといちゃいちゃしようとしたら、上の部屋から憎きドレイクの歌声が聴こえてくるんだから、ミークにとっては堪ったもんじゃない。それにしても、なんとも大人気ない復讐方法である。この笑えてちょっとダサい感じこそ、ドレイクを最強の三枚目と呼びたくなる所以である。The Game(ザ・ゲーム)の「100」という曲でドレイクは「カネや名誉がなければ、もっと友達がいたんだろうな/本音の代わりにおべんちゃらを言えれば、もっともっと友達がいたんだろうな」と皮肉交じりにセルフボーストをキメているのだけど、昔イケてなかった頃はきっと友達が少なかったであろうドレイクが言うと、簡単には聞き流せないというか、言葉の重みが違って響く。そんなザ・ゲームの「100」は、ミュージックビデオでドレイクがエキストラの中からもっさりしたイケてない風の少年をカメラの前に引っ張り出してくる、まさに類が友を呼ぶ瞬間が最高!

The Game - "100 (feat. Drake)"

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