2016年2月14日日曜日

カニエ・ウェスト「Real Friends」



 馬鹿と天才は紙一重という言葉は、だれがどのようにして思いついたのだろう。思いついたからには、そう思わせるようなトンデもない人物を目の当たりにしたにちがいない。Kanye West(カニエ・ウェスト)の名前がゴシップ記事の見出しを飾るのを見るたびに、馬鹿と天才は紙一重という言葉によく似た、ある歌詞の一節が頭に浮かぶ。
 カニエ・ウェストが7thアルバム『The Life of Pablo』(16年)収録の「Famous」で、あの悪名高いMTVの受賞スピーチ妨害事件で可哀想な目にあわせたTaylor Swift(テイラー・スウィフト)に対して、またひどいことを言っている。「フェイマス」と題されたこの曲でカニエは、かの事件がテイラーを有名にしたのだと主張している。まったく反省した様子が見られない!「テイラーとセックスしてやってもいいぜ/俺があのビッチを有名にしてやったんだ」。カニエが最低野郎なのは間違いない。でもそれは仕方のないことだと思う。高慢で下衆な最低男。それがカニエ・ウェストなのである。この男が馬鹿をしでかして非難轟々だと聞くたびに、カニエという存在をわかりやすく言い当てた「Otis」中の一行「Sophisticated ignorance, write my curses in cursive(洗練された愚か者、罵り言葉を筆記体で綴る)」がいつも頭をよぎる。『The Life of Pablo』でもアートワークにラフ・シモンズのデザイナーを起用するなど、本当に趣味は良いんだけど、どうしても言動が愚かしい。だがそれがカニエというもの。この先どんなに名声を獲得したとしても、カニエには世界平和とか環境保全を訴えるような真似はしてもらいたくない。カニエにはこれまでと変わらずエゴむき出しの馬鹿な主張を続けてもらいたいものだ。(カニエは「Famous」のテイラーに言及したリリックへの批判に対して、悪意は一切なく、事前にテイラーも承知のことだと主張している。)
 カニエとテイラーといえば、2015年のグラミー賞授賞式で親しげに言葉を交わす姿が見られ、てっきり和解したものだと思っていたのに。少なくともテイラーの方はカニエと「友達」になれたと思っていたはず。カニエは「Real Friends」の冒頭「本当の友達は何人いるだろう?/本当の友達はほんの数人、笑って話しているけれど/偽りのない笑顔はそのうち何人?信用問題」と友人に対して猜疑心を抱いているようだけど、問い質したいのはこっちだよ!

Jay Z & Kanye West - "Otis"

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