2015年11月15日日曜日

ロジックの葛藤〜『The Incredible True Story』と『インターステラー』



 Logic(ロジック)の母はアルコールとドラッグ中毒、父は家を空けてばかり。兄はドラッグの取引に手を染め、友人は窃盗の罪で服役中。ロジックは生活保護を受け、フードスタンプで食いつないでいた。そんな過酷な人生体験を歌詞に綴ったのが1stアルバム『Under Pressure』(14年)だった。しかしロジックの場合、貧困や犯罪に彩られた実体験をいくら語っても、肌色の白さが災いし、リスナーからは彼が「ワルを装っている」と誤解されてしまうという葛藤を抱えている(ロジックの母は白人であるが、父はアフリカン・アメリカンである)。
 そこで2ndアルバム『The Incredible True Story』(15年)では、前作で披露したような自分語りは脇に置き、大好きなSF映画やアニメ作品に着想を得た作品づくりへと方向転換している。『The Incredible True Story』はストーリー仕立てのアルバムになっている。インタビューで「クリストファー・ノーラン監督の『インターステラー』(14年)に感銘を受けた」と語っているように、物語の筋書きはまさにインターステラーそのものだ。宇宙飛行士のトーマスと操縦助手のカイが、地球が居住不可となった世界で、第二の母星「パラダイス」を目指して宇宙を旅していく。前作ではアルバムの案内役として曲間のナレーションを担当していたタリア(A Tribe Called Quest(ア・トライブ・コールド・クエスト)の『Midnight Marauders』(93年)へのオマージュである)が、今作では『インターステラー』に登場する人工知能ロボットのTARSやCASE的な役回りを担って再登場する。人工知能と交わすユーモラスな会話も再現しようとしているのがうかがえる。クエンティン・タランティーノ好きとしても知られるロジックだけど、ノーランとかタランティーノとか映画の趣味がミーハーで親近感を持てる。ロジックは1990年の早生まれだから僕と同学年なんだよな。ロジックと友達になりたい!


Logic - "Young Jesus (feat. Big Lenbo)"


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